注文住宅のローンの組み方って?組む場合の種類や支払い時期について解説
注文住宅を購入する際は、現金一括で支払うよりも住宅ローンを組む方が大半でしょう。では、住宅ローンにはどんな組み方があり、融資実行までの流れや支払いのタイミングはどうなっているのでしょうか?この記事では、注文住宅におけるローンの組み方の種類や融資実行までの流れ、支払いのタイミングなどを利用時の注意点も含めて紹介します。
注文住宅におけるローンの組み方の種類とは?
住宅ローンの組み方の種類は2種類で、分割融資とつなぎ融資があります。それぞれどんな特徴があるのか、順番に見ていきましょう。
分割融資
分割融資は支払いがあるたびに「建物が完成する前の費用」を複数回に分けて融資を受ける方法です。契約内容は金融機関によって異なるため、注意しましょう。具体的には、分割の回数や適用される金利、金利の選択、返済のタイミング、金銭消費貸借契約の手続きなどがこれに該当します。
たとえば、分割の回数1つとっても「2回まで」とする金融機関もあれば「3~4回まで」と定めている金融機関もあるのです。なお、分割融資は住宅の抵当権を使って借りるため、金利が安いというメリットもあります。
つなぎ融資
つなぎ融資は住宅を建てる前に必要な資金を、一時的に立て替えてくれるタイプの融資です。その名が示すように家を建てるまでの「つなぎ」として利用される融資のため、返済期間も短く設定されています。そして、つなぎ融資は住宅の抵当権とは一切関係がないため、金利がやや高めです。
ただし、つなぎ融資の利用は建物が完成する半年~1年前後のため、利息はそこまで心配しなくてよいでしょう。そして、土地購入につなぎ融資を利用し、建築費用で分割融資を利用する方が多いです。金融機関の担当者とも相談して、使い方を決めましょう。
一本化
その他、住宅ローンでは土地と建物2つのローンを1つにまとめる、一本化という方法があります。これは「土地を購入するローンは審査が通ったのに、家を建てるためのローンは審査に落ちてしまう」といったケースを防ぐためです。
デメリットとしては、2つのローンを1つにまとめるためスケジュールがタイトになる可能性が高いことが挙げられます。ゆっくり住宅プランを検討する時間が取りにくくなるため、注意が必要です。
住宅ローンの融資実行までの流れと支払いのタイミング
いざ住宅ローンを契約したとして、実際に融資が実行されるまでの流れと支払いのタイミングはどうなっているのでしょうか?それは、以下のとおりとなります。
融資実行までの流れは?
住宅ローンの融資が実行されるまでの流れは、以下4つとなります。具体的には土地売買契約の締結、建築プランの仮決定と住宅ローンの事前審査、施工業者との契約と所有権移転登記、工事完了の4つです。
また、所有権移転登記が行われた段階で持ち主が確定するので、そこで抵当権が設定されます。このようにすべての手続きを終えたところで、ようやく融資が実行されます。
土地購入時
土地を購入する際は、そこで土地に関するすべての費用を支払うことになります。土地代金をはじめ所有権移転登記費用、契約印紙代、測量費用、固定資産税、仲介手数料など、すべての諸費用が必要です。
なお、諸費用の目安は「土地代金の約5%~10%」が相場とされています。ただし、仲介手数料が発生する場合は土地代の3%に加えて6万円の消費税が発生します。そして、所有権移転登記は目安が約6万円~8万円です
着工時
建物の工事を着工するにあたって、着工時金が発生します。とくに注文住宅なら、完成後に一括というより進行状況に合わせて段階ごとに支払っていくのが一般的な流れとなります。そして、着工時金として支払う額ですが、建設費用の約30%が相場です。
建物の建設中
まずは上棟といって、建物の骨組みを完成させます。この段階で餅撒きをしたり、上棟式を行ったりする建築会社もあります。そして、上棟から約1か月後に「中間金」として建設費の約30%を支払うのです。
ただし、業者によっては約90%を請求される可能性もあります。これは、着工時金や中間金に法的な縛りがないため発生することなので、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
建物の完成時
いよいよ建物が完成したら、残りの建築費用をすべて支払います。そして、全額入金されたのを確認したら、建物の引き渡しとなるのが一般的な流れです。
注文住宅でローンを利用する際の注意点
長い年月をかけて返済していく住宅ローンなので、どんな組み方をするのかも含め利用する際は慎重になる必要があります。ここでは、注文住宅でローンを利用する際の注意点について、まとめています。
取り扱っている金融機関が限られる
実は、注文住宅で扱える住宅ローンを扱っている金融機関には、限りがあるようです。そして、分割融資やつなぎ融資も内容や条件が金融機関ごとに異なるため、注意が必要です。
まずはどこの金融機関なら取り扱っているか?そして、どんな内容や条件になっているのか?それを、申し込む前にしっかりと確認しましょう。
建てている間に金利が変動することも
意外にも落とし穴になりがちなのは、金利です。ローンを組んだときとローン実行の時点で、金利が変動することもあるためです。とくにつなぎ融資の場合、家を建てている間にローンの支払い総額が増えてしまうリスクもあるため、注意が必要です。
住宅ローンの組み方について、組む場合の種類や支払い時期も含めながら解説しました。どういった形で住宅ローンを組む場合も一長一短があるので「これが正解」という絶対的な形はありません。自分より先に注文住宅を建てたあの人がこうしているから、この人がこういっていたから…ではなく、しっかり考えて自分に合った方法で住宅ローンを選びましょう。
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