本当に必要?地盤調査にまつわるウソとホント

公開日:2024/10/15  

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地盤調査は、家を建てる際に地盤の性質を把握するための重要なプロセスです。しかし残念ながら地盤調査の必要性や方法などについて、誤った知識が広がっていることがあります。今回は、地盤調査の必要性とともに、調査方法やデマについてまとめています。これから家を建てる計画がある方はぜひチェックしてみてください。

新築住宅を建てるときは地盤調査必須?

新築住宅を建てる際、地盤調査が欠かせません。ここでは地盤調査がなぜ行われているのか、その必要性について解説します。

地盤調査とは?なぜ必要?

まず、地盤調査が必要な理由として、建物の基礎設計において重要な情報を提供する点が挙げられます。

地盤調査を通じて、土地がどの程度の建物の重さに耐えられるか、またその土地の地盤構造や強度、支持力、土質、地下水位などの情報が得られるのです。とくに建物の基礎は、地盤にしっかりと支えられている必要があります。

地盤が弱い場合、建物が沈下したり傾いたりする危険があります。したがって、地盤の強度の把握は、適切な基礎の設計に不可欠です。さらに、建築確認申請の過程でも地盤調査の結果が必要とされます。

建築基準法によって、建物を建築する際には地盤調査が義務付けられており、地盤の強度や安定性の確認が法的に求められています。建築確認申請が認可されるためには、地盤調査結果を提出しなければなりません。

また、建築会社が瑕疵担保保険に加入するためにも、地盤調査は必須です。瑕疵担保保険は、建物が完成してから一定期間内に発生した瑕疵(欠陥)に対する修繕費用を保証するものであり、建物の安全性や品質を保証する重要な制度です。

地盤調査を行うことで、建物の安全性を確保し、瑕疵担保保険の条件を満たすことができます。

建て替えのときも必要

ちなみに建て替えの場合でも、新築同様に地盤調査が必要です。

建物を建て替える場合でも、当初の建設時と状況が異なる可能性があります。加えて、2000年以前に建設された建物の場合は、そもそも地盤調査が行われていない可能性も考慮しなければなりません。

地盤調査の種類と費用

建築物の安定性を確保するために不可欠な地盤調査ですが、そのなかでも表面波探査法、SWS試験、そしてボーリング調査という3つの主要な方法が一般的に用いられます。

それぞれの調査方法には独自の特徴があり、工事の規模や目的に応じて適切な選択が求められます。

表面波探査法

表面波探査法は、地盤の状態を高い精度で調査する手法のひとつです。

費用は8〜12万円程度が相場とされています。地震波の一種である表面波を利用し、人工的に発生させた微小な地震を検出器で測定します。この手法により、地盤の強度や沈下量などをコンピュータで解析が可能です。

地下10mまでの地盤支持力や沈下量を調査でき、法的にも認められた信頼性の高い方法です。

SWS試験

SWS試験は、戸建て住宅などの小規模な建設プロジェクトによく利用される方法です。

スウェーデン式サウンディング試験やスクリューウエイト貫入試験とも呼ばれます。この試験では、地面にスクリューを取り付けた棒を使用し、地盤の強度を測定します。

調査期間が短く、費用を抑えられるため、一般的な住宅ではよく採用される方法です。費用は一般住宅の敷地面積に応じて、10万円前後が相場とされています。

ボーリング調査

ボーリング調査は、費用は20〜30万円程度が相場とされています。

こちらは、マンションやビルなどの大規模な建築プロジェクトで用いられることが多い方法です。この調査では、地面に穴を開け、そこにやぐらを組み立て、ハンマーを落下させて地盤の強度を測定します。

SWS試験よりも調査期間や費用がかかりますが、深い地盤まで調査が可能であり、地盤の特性の詳細な把握ができます。

地盤調査のウソに注意しよう!

「地盤調査は義務ではない」「どこの会社に依頼しても結果は変わらないんでしょ?」といった誤った情報が出回っています。

正しい調査を行うには、誤った情報を鵜呑みにしないよう注意しましょう。

「地盤調査はやってもやらなくてもいい」は誤り

一部の人々が「地盤調査はやってもやらなくてもいい」という誤った情報を広めていることがあります。

しかしこれは大きな誤解です。実際には、地盤調査は適切な地盤改良を行うために重要な工程であり、これを無視することは将来的に大きなリスクを招く可能性があります。

地盤調査は、地盤の強度だけでなく土の性質も知ることができます。この情報は建物の安定性を確保するために欠かせません。

工事費が高いほうが安心は誤り

「地盤改良の工法は工事費が高いほうが強くて安心」という主張も散見されますが、この情報も誤りです。

実際には、地盤の状況や土質に応じて適切な工法の選択が重要です。高額な工法が必ずしも最適とは限らず、調査結果にもとづいた適切な工法が安定した建物を築くためのポイントとなります。

どこで依頼しても結果は一緒というわけではない

調査と工事は業者によって結果が異なる可能性があります。

そのため、信頼できる調査会社と施工会社を選ぶことが重要です。信頼できる会社では、地盤調査と改良工事を専門の会社が行い、調査結果の信頼性と工法の適正性を確保するためのダブルチェック体制が整えられています。

まとめ

新築住宅を建てる際には、地盤調査は不可欠です。地盤調査を行うことで、適切な基礎設計や建物の安全性確保、法的要件の遵守、瑕疵担保保険の条件を満たすことができます。調査を行う際は、建設プロジェクトの性格や予算に応じて、適切な地盤調査方法の選択が重要です。安定した建築物の基盤を確保するためにも、地盤調査に適切な予算を割くことが不可欠です。地盤調査は建物の安定性を確保するうえで欠かせない重要な工程なので、誤った情報に惑わされることなく、適切なプロフェッショナルに依頼しましょう。

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