断熱性能にこだわった家を建てるなら知っておくべき!注文住宅におけるセルロースファイバーの魅力とは
高性能住宅を施工する工務店の多くはセルロースファイバーを使用しているのをご存知でしょうか。この記事では、そんな最強の断熱材とも呼ばれるセルロースファイバーの魅力にせまります。快適な家を建てるなら高性能な断熱材は外せません。この記事を読んで、ぜひセルロースファイバーをチェックしてみてください。
そもそもセルロースファイバーって?
セルロースファイバーとは、1950年にアメリカで開発され、今や世界中で使われている断熱材です。原料は、新聞紙を粉砕したものとホウ酸。断熱性はもちろん、優れた調湿性や防火性などの多彩な機能を備えていることから、魔法の断熱材として重宝されています。
セルロースファイバーの優れた多機能な特徴
高い断熱性能を誇ることで有名なセルロースファイバーですが、ほかにもさまざまな機能を持ち合わせています。今回は、たくさんある機能のなかから5点取り上げてご紹介します。
調湿性・防燃性・防音性・省エネルギー性・シロアリ対策ができることです。ほかにも、防カビ性・防露性などの機能ももっています。
調湿性
一般的に、家事などで生じた水蒸気は壁内部に入り込み、結露を引き起こします。この結露は壁内部の湿度を上昇させ、建物の構造体を腐らせる一因となるのです。
しかし、湿度を調節する機能をもつセルロースファイバーを使えば結露を防ぐことができ、その結果、構造体の劣化を防げます。つまり、セルロースファイバーは家全体の劣化を防いで、機能を維持する役目もあるのです。
防燃性
セルロースファイバーは難燃性のホウ酸を含み、かつ燃えても表面がすぐに炭化するため、内部にまで酸素が供給されず、火が燃え広がらないという性質があります。
その効果は、建築基準法でも認定されており、断熱材のなかでも極めて高い防燃性があることが立証されています。また、燃えたときに有害ガスが発生することがないので安心です。
防音性
木質繊維でできているセルロースファイバーには、小さな穴がたくさん空いており、その穴に音が吸収されるため、高い防音効果を発揮します。
環境にも人にも優しい
セルロースファイバーは新聞紙をリサイクルしてつくることや、製造にかかるエネルギーが少ないことから、環境に優しい建材として知られます。
さらに、高い断熱性能で建物内の室温を保つ作用もあるため、人にも優しい断熱材であるといえるでしょう。さらにセルロースファイバーを使えば、冷暖房費は約30%も節約可能で、経済的ともいえます。
シロアリ対策ができる
難燃剤として混ぜられたホウ酸ですが、シロアリやゴキブリなどの害虫が嫌う物質でもあります。そのため、セルロースファイバーを使えば、シロアリ対策もできるのです。
しかし、同時にセルロースファイバーは毒性が低く、食卓塩の6倍も安全であると立証されているため、安心して使用できます。
セルロースファイバーは高い断熱効果を持つ
断熱材としてよく使われるグラスウールなどは、断熱材を構造体の間に入れ込むため、隙間ができてしまうことがあります。隙間ができると高い断熱効果は得られません。
しかし、セルロースファイバーを使用する際は、吹き付け施工や吹き込み施工がおこなわれます。吹き付け施工は、壁に向かって、セルロースファイバーをスプレーガンと呼ばれる工具を用いて吹き付ける方法で、吹き込み施工は壁にシートを張り、構造体とシートの間の袋状になったところに、セルロースファイバーを入れる方法です。
このようにセルロースファイバーは、ほかの断熱材とは異なる施工が可能なため、隙間なくしっかりと構造体の間を断熱材で埋められ、その結果、高い断熱効果を実現できます。
コロラド州のデンバー大学での実験によって、セルロースファイバーを使った建物は、グラスウールを使った建物よりも暖房のためのエネルギーが26.4%も少ないこと、断熱性能が約4割も高いことも立証されています。
また、優れた断熱材の特徴として、熱伝導率が低いことと、厚く施工できることが挙げられます。セルロースファイバーは、これらの特徴をすべて兼ね備えているのです。
高い断熱性能をもつ断熱材を厚く、隙間なく施工できるセルロースファイバーは、まさに断熱材として最適だといえるでしょう。
この記事では、セルロースファイバーの魅力をご紹介しました。セルロースファイバーは、新聞紙とホウ酸でつくられた断熱材です。優れた断熱材の特徴には、(1)断熱材熱伝導率が低いこと、(2)厚く施工できること、(3)隙間なく施工できることの3点が挙げられますが、セルロースファイバーはこれらの特徴をすべて兼ね備えています。また、高い断熱性のほかにも、調湿性・防燃性・防音性・省エネルギー性などの機能ももち合わせています。これだけ魅力的な機能がそろっていれば、魔法の断熱材と呼ばれるのも納得です。